ヤクザと執事と私 1
西へと向う列車の中に、真木ヒナタ、大和、龍一は、座っていた。
「いいのか?」
大和が、真木ヒナタを見る。
窓の外を眺めていた真木ヒナタは、窓の外を眺めたままで、「いいさ。」と答えた。
「別に連れてきてもよかったんだぞ?」
「大和・・・」
大和が繰り返すが、それを龍一が止めた。
「ところで、俺を連れて行って何する気だ?」
変わらない景色に飽きたのか、真木ヒナタが窓から離れ、龍一に聞いた。
「・・・そうですね。簡単にこっちの言い方でいうと、マフィアのボスになろうかと思いまして。」
「お前が?」
「いえ、こちらの大和が。」
「・・・本気で?」
「・・・はい、本気です。」
真木ヒナタの見た龍一の表情は、笑っていたが・・・それは、凍るような笑顔だった。
「・・・そうか・・・まぁ~、お前らにはカリがあるし・・・それに、お前ら2人の暗殺指令も、まだ撤回されてないしな。・・・手伝ってやるよ。」
真木ヒナタが、龍一と大和を交互に見る。
「そうですか。それは、心強いです。・・・ね、大和?」
龍一は、今度は優しい微笑みで大和を見た。