ヤクザと執事と私 1
「・・・ところで・・・」
大和は、少し言いにくそうに真木ヒナタから距離をとった。
「なんだよ?」
大和の行動を見て、真木ヒナタが聞いた。
「・・・暗殺指令出した奴死んじゃったから、その暗殺指令・・・永遠に撤回されないよね?」
大和の言葉にあきれた表情の真木ヒナタと龍一。
「・・・大和・・・あなた、もう少し場の雰囲気を読めませんか?」
本当に残念そうな表情を大和に向ける龍一。
「だってよ・・・・」
「違いますよ、大和。今のは・・・・」
龍一は大和に今の真木ヒナタの言葉の真意を必死に説明している。
そんな光景を笑ってみながら、真木ヒナタは、真木ヒナタの横においていた紙に目を通す。
そこには、攫った子供の受け渡し場所と時間、取引相手が書いてあった。
その紙は、大和が、店に突っ込んだときに、厨房の隠し扉の奥から見つけてきたものだった。
書いてあった受け渡し時間は、真木ヒナタがレナを病院に連れて行っていた時間。
妨害不可能な時間。