ヤクザと執事と私 1
第8節:紅く染まる
「どうだった?」
ママの言葉で現実に戻ってきた。
私にとっては、あまりにも衝撃的な事実。
いつもの真木ヒナタからは想像できない過去。
「・・・驚きました。」
私は、素直に気持ちを伝えた。
「でしょ。私もなかなかの傑作と思うのよ。」
ママがほのぼのとうれしそうに話す。
「・・・・?あの・・・ママ?・・・傑作って?」
「え、だって、私が、みんなの気持ちなんかわかるわけないでしょ?」
「・・・なんだ、創作か・・・」
どこか安心したようにサブがこぼした。
私も、サブと同じ気持ちだった。
もし、これが本当の真木ヒナタの過去ならば、あまりにも酷すぎる。
「そうよ。みんなに聞いたことを私なりにまとめてみたの。」
「えっ?」
ママの言葉に動きが止まる私とサブ。