ヤクザと執事と私 1
「それじゃ・・・現実じゃないですか?」
「そうよ。気持ちはちょっと創作入ってるけど、あったことは本当よ。」
「・・・ちょっと?」
「そう、みんながここで飲んだ時に話してくれるの。だから、それをまとめてみたの。」
「・・・事実じゃん・・・」
私とサブは同時につぶやく。
「それにしても、ヒナタちゃん遅いわね・・・そうだ、話も疲れたし、テレビでも見る。」
「はい。」
ママの真木ヒナタの話の衝撃が抜けきらない私は、ママの言葉に適当に答えておいた。
ママがテレビをつける。
ついたテレビでは、見たことのある光景が映し出されていた。
「あっ!」
サブが叫んで、イスから立ち上がった。
テレビに映し出された光景は、私達が逃げてきた爆破現場だった。
多数の警察車両が映し出されていた。
「あっ、あれ、真木さんと執事さん。」
再びサブが叫ぶ。
テレビ画面の端には、真木ヒナタと執事が写っていた。
警察と話している様子。
「大丈夫かな・・・あの人たち、拳銃持っていただろ?」
サブは心配そうに私を見てくるが、私にわかるはずは無かった。
「あの子達も馬鹿じゃないから、警察が来た時点で拳銃隠しているから大丈夫よ。」
私のかわりにママが答える。