ヤクザと執事と私 1
第5節:笹山組
ハルさんの後ろをついて、しばらく歩いていくと、アパートに住んでいた私には、想像がつかない豪邸に到着した。
豪邸は、古風な日本様式。
外からは高い壁で囲まれていて、中をうかがい知ることさえできない。
入り口には大きな門、その横には・・・・笹山組という大きな文字が・・・・笹山組!!!!
私は、ハルさんの肩を掴み、前に進むのを止める。
「ハルさん、これ何!!!!」
「何って・・・いわゆる・・・や・く・ざ」
ハルさんは私と目を合わせようとはしない。
「なにが、いわゆるやくざよ!前から見ても後ろから見てもやくざじゃない!」
思わず興奮する私。