ヤクザと執事と私 1
「あんたがあんな扱いするからだろ!」
ハルさんはかなり怒っているようだ。
(ハルさん・・・)
私はハルさんに今すぐ抱きつきたい気持ちを抑えた。
「俺、何か変なことしたか?」
男は首傾げながら、私の前に来た。
「俺は、笹山組の組長やってる笹山大和だ。よろしくな!」
笹山大和は、私に握手を求めて、手を伸ばしてきた。
「あ、わた・・・俺は、三河小夜です。」
私は、笹山大和と握手をした。
「・・・やっぱり、小僧は男らしくないな・・・名前も声も女みたいだし・・・手も女みたいな手だな・・・」
笹山大和はやや懐疑的な目を私に向ける。
(当たり前でしょ!女なんだから・・・・それにしても、顔は、男っぽくないところには入らないの・・・)
「そうなんだよ。だから、大和んとこでちょっと男らしくしてもらおうかと思ってさ。」
すかさず、ハルさんが助け舟をだしてくれる。
「・・・そういうことか・・・それじゃ、仕方ねぇ~な!俺が一肌脱いでやろうか!」
笹山大和はまんざらでもない表情になっている。