ヤクザと執事と私 1
第2節:熊さん
台所の入り口の扉が開き、白衣に身を包んだ大きな男が入ってきた。
まるで熊のような男。
190cmはあると思える身長に、お相撲さんに匹敵するくらいの体格。
髪は短いけど、顔には髭。
私は、驚きのあまりすぐに反応できない。
その大男は私をみると、しばらく身動きせず止まっていた。
お互いが牽制するように見つめ合っていた。
しかし、大男は、冷蔵庫の方へ急に動き出すと、冷蔵庫の横にあったりんごをむき始めた。