ヤクザと執事と私 1

大きい体とは似合わない包丁使いであっという間にりんごをむくと、私の前に、8等分したりんごを差し出す。


「食べる?」


「・・・はい。」


なぜか私は、差し出されたりんごを食べてしまった。



大男を見ると、りんごを食べている私を嬉しそうに上から眺めている。


「危ない・・・子供・・・ここ、だめ。」



大男が野太い声で、やさしく私に話しかける。



「はい?」


私は意味が分からず聞き返す。


「見つかる・・・怒られる・・・」


もう一度、大男が野太い声を出す。


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