ヤクザと執事と私 1
そこに急に扉が開いた。
「熊さん、おはようございます。それでは、朝食の準備をお願い致します。」
あの執事だった。
「あっ、こちらにいらしたのですね、小夜さん。」
執事が私を見つけて声をかける。
なぜか熊さんが執事と私の視線の間に入り込む。
「あの・・・熊さん?すいませんが、今、小夜さんと話してるのですが?」
執事が熊さんに不思議そうな顔を向ける。
熊さんは、執事と顔をあわせようとしない。
私はあわてて熊さんに目線でいいからと合図を送る。
熊さんは、心配そうにしていたが、しょうがなく私と執事の間からどいて、朝食の準備を始めた。