ヤクザと執事と私 1
執事はそんな様子を不思議そうに見ていたが、気にせず話しをつづけた。
「それでは、小夜さん。おはようございます。」
執事が朝からさわやかな笑顔で私に挨拶する。
私は、別世界に飛ばされそうな意識を必死につなぎとめながら、「おはようございます。」と執事にかえした。
「はい。いい返事ですね。挨拶は、人間関係の基本ですので、必ず元気にするように。」
「はい、わかりました。」
少し、執事の顔にシワがよる。
「小夜さん、そういう時は、かしこまりましたで返事をお願いします。」
「はい、かしこまりました。」
執事の顔のシワが消えた。
「よく出来ました。それでは、今日は、私に1日ついて仕事を覚えてもらいますので、しっかり覚えてください。」
「はい、かしこまりました。」
私は、言われたとおりの返事を返す。
執事は満足そうだった。