ヤクザと執事と私 1
私は壁際に立っている。
執事は先ほど部屋を出て行ったまま、まだ戻ってきていない。
場は、驚くほど静寂に包まれている。
部屋の扉を開け、執事が戻ってきた。
後ろには、笹山大和組長がいた。
笹山組長の席のイスを執事が引く。
そこに笹山大和組長が座る。
それと同時に、今まで不自然に席についていたやくざ達が立ち上がり、笹山大和組長に挨拶をした。
「おはようございます。」
部屋に男達の低い声が響きわたる。