ヤクザと執事と私 1
「すいません。助けてください。」
私は男の腕に飛びつく。
「どうなさいました?お嬢さん。」
男は優雅に振り返ると、私に微笑みかけた。
高い・・・・
私が男をみた第一印象だった。
私が助けを求めた男は、身長190cm以上ありそうな高さ。
少し変わった形の黒のスーツを身に纏い、真っ黒の黒髪が肩まで伸びている。
そして顔は・・・ギリシャの彫刻のような美形。
ヤクザに追われていることも忘れて、私は思わず見入ってしまう。
「お嬢さん?」
「・・・あっ、すいません。助けてくれませんか?」
「おい、兄ちゃん、悪いこと言わねぇから、どいとけ!」
私を追ってきたヤクザの1人が男を威圧する。