ヤクザと執事と私 1



笹山大和組長の部屋を出てから、執事は台所に歩いていった。


私は、執事の後ろを歩きながら、少し不安を感じていた。


(台所って・・・まさか、いくら執事でも・・・)


この時、朝、サブが言った血まみれ執事の言葉が私の脳裏に蘇ってきた。



台所に入ると、執事は私にダンボールを預ける。


「小夜さん、少し持っておいていただけますか?」


「はい、かしこまりました。」


私は、他に選択肢があるわけじゃないので、素直にダンボールを受け取る、今から起こるかも知れない惨劇を不安に感じながら。




執事は、包丁を取り出すと、私の方へと歩いてきた。



思わず身を硬くして、目を閉じる私。

< 70 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop