ヤクザと執事と私 1
笹山大和組長の部屋を出てから、執事は台所に歩いていった。
私は、執事の後ろを歩きながら、少し不安を感じていた。
(台所って・・・まさか、いくら執事でも・・・)
この時、朝、サブが言った血まみれ執事の言葉が私の脳裏に蘇ってきた。
台所に入ると、執事は私にダンボールを預ける。
「小夜さん、少し持っておいていただけますか?」
「はい、かしこまりました。」
私は、他に選択肢があるわけじゃないので、素直にダンボールを受け取る、今から起こるかも知れない惨劇を不安に感じながら。
執事は、包丁を取り出すと、私の方へと歩いてきた。
思わず身を硬くして、目を閉じる私。