ヤクザと執事と私 1
(・・・たまんないなぁ~)
子猫が3匹、一つの器から牛乳を飲む姿は、とんでもなくかわいい。
私は、思わず顔がにやける。
そんな私の姿をみて、執事が、「小夜さんは、猫や犬は好きですか?」と聞いてきた。
私は、元気に「はい。」と答える。
「それはよかったですね。仕事には彼らの世話も入っていますので。」
私は嬉しくて、天にも昇りそうな気持ちになる。
アパートに住んでいたときは、ペットを飼いたくても飼えない状況だった。
それが、今は猫と犬あわせて19匹のお世話ができる。
「はい、かしこまりました。」
さらに元気に執事を見つめる。
そんな私の様子をみて、執事が少し微笑みを浮かべた。
「でも、19匹もいると結構大変ですので、頑張ってくださいね。」
その執事の言葉の向こうで、サブが餌を欲しがる犬や猫にまとわりつかれて、身動き出来なくなっていた。
「ちょ、ちょ、まてよ、お前ら。今、器に分けてやるから。」
サブは必死に犬と猫に話しかけている。
私と執事は、そんなサブの様子をみて一緒に笑った。