ヤクザと執事と私 1
「小夜さん、昼食が終わりましたら、サブさんと買い物に行ってもらえますか?」
執事が相変わらずの甘い笑顔で私を見つめる。
「はい、かしこまりました。」
私の返事もだいぶ板についてきたような気がする。
そんなことを考える余裕も生まれてきた。
昼食が終わり、私は、執事から買い物のメモとお金を受け取る。
大勢がいる屋敷だけあって、買い物の量も半端ない数量がメモには書き込まれていた。
これ・・・持って帰ってこれるかな?
私は、メモに書き込まれた量を見て不安になる。
「あっ、そういえば、小夜さん、携帯電話はお持ちですか?」
急に思い出したように、執事が聞いてきた。