ヤクザと執事と私 1
「ところで、ヒナタさん、ここで何やってるんですか?」
サブが少年に話しかける。
「うるせぇー、サブ、テメー、誰に向って気安く話しかけてんだよ。」
私は、耳を疑った。
確か今、サブは、少年に話しかけたはずだけど・・・
「すいません、ヒナタさん。失礼致しました。」
サブがあわてて顔中に冷や汗を浮かべて頭を下げている。
「謝ってすんだら、ヤクザはいらないんだよ。オッ!わかってんのか?サーブーちゃん?」
私の聞き違いではなく、確かに少女のような顔をした少年は、サブに向って悪態をついていた。
見た目は異様な光景だ。
チンピラのような格好をしたサブが少女とも少年ともとれる格好をした少年に必死に頭を下げている。
逆ならまだわかるけど、今の状況はサブには悪いけど・・・どこか滑稽。