ヤクザと執事と私 1
2人で両手に荷物を抱えて、屋敷までの道を歩く。
「小夜は、どこに住んでんだ?」
サブに歩きながら聞かれ、私は今までの状況を簡単に説明する。
「・・・大変だったんだな・・・でも、俺も両親を早くなくしてさ、天涯孤独ってやつさ。俺と小夜は同類だな。」
サブは私に屈託のない笑顔で笑いかける。
それから、サブが何か話そうとした時だった。
いきなり私達の横に黒塗りの高級車が止まると、叫ぶ間もなく、私とサブは、無理やり車に押し込められた。
両手に荷物を持っていたから、まったく抵抗することができない。
ものの1分も立たないうちに、私とサブは、誘拐されてしまった。