ヤクザと執事と私 1



どのくらい走っただろうか?


私の体内時計では10分程度だったようにも感じるし、1時間ぐらい乗っていたようにも感じた。



目隠しだけじゃなく、おまけに拳銃を突きつけられたら・・・・時間なんて分かるわけないよ。





「降りろ!」


サブを殴った男の声が私に命令する。


当然、命令違反などできるわけない。



私は、死ぬ時は老衰しかないと、ついさっき車に乗せられている時に、心の中で誓ったから、ここでわけもわからず、拳銃で撃たれて死ぬなんて嫌だ。



もし、どうしようもないとしても、せめて撃たれる理由くらい知りたい・・・だって、撃たれる理由はおろか、誘拐される理由も思いつかないのに・・・



そんなことを考えていたが、ふと、私の最近の状況を考えると、ここで撃たれないという保証もまったくないということに気がつく。


そして、誘拐される理由も・・・




この誘拐は、私のせいなのか・・・サブのせいなのか・・・もしくは、組の問題なのか・・・



考えれば考えるほど、理由が次から次に浮かんでくる。


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