ヤクザと執事と私 1
ふと、そんな私に自分自身が違和感を覚えた。
私、今から殺されるかもしれないのに、やけに冷静。
なんでだろう?
・・・・そうか・・・もし、ここで殺されても、お父さんとお母さんが最近逝ったばかりだから、安心なのか。
死んでも、お父さんとお母さんの所に行くと思えば、それほど死に対して恐怖心は生まれない。
・・・・あくまで、それほどだけど・・・・
「さっさと歩け!」
私は、後ろから軽く押され、その勢いで歩き始める。
目隠しされたまま歩くのは、結構怖いが、止まりそうになるたびに後ろから蹴られるので、しょうがなく歩き続ける。
「止まれ!変なことしたら、すぐにあの世いきだからな!」
男が警告の後に、私の目隠しを乱暴にとる。
暗闇に慣らされた目は、部屋の明かり程度でも、まぶしく感じて、視界がぼやけている。