潔癖彼女ノ憂鬱
「おい。大丈夫か?」

生徒会長が季夜の体を揺すると、長い睫毛を震わせ、うっすらと目を開けた。

「…お前?」

生徒会長に触れられ、潔癖症が発症する。
体が小刻みに震え、顔が蒼白く変化していく。

生徒会長…龍世は、そんな季夜から手を離すと、自分のブレザーを脱ぎ、季夜の体に巻き付け、その上からお姫様抱っこで抱き上げた。

「潤!!急病だ。お前等で紹介を進めとけ」

「はいよっ」

「ありゃありゃ緊張しちゃったかな?」

「んじゃ、まず君から言ってみよう~♪」

龍世は後の進行を生徒会メンバーに託し、自分はざわついた男群集を縫う様にして、季夜を外へと急いだ。


< 16 / 28 >

この作品をシェア

pagetop