SECRET&LIMIT-王子×凡人-
彼はそんなアタシの顔の両頬に両手を添え、さらにグッと上にあげ言葉を発した。
「俺はお前等の行動は見てたんだ。だから、買ってないってのは嘘だろ?」
そのことを言われた瞬間目がまん丸になった。
…彼、あの場面を見てたの?
そっか…
見てたんだ。
見てたんだったら知ってるってことだよね。
逃げ隠れしたって意味ないんだ…
それに、彼とは今日限りでバイバイなんだし…
アタシは固くギュッと結んだ口を開き彼に正直に打ち明ける。
「…さっきまでのは嘘だょ。乙女ゲーム持ってた。これで気が済んだでしょ?……あのさ、もういい加減帰らせてよ。」
彼に全てを話したらスッキリするかと思っていた。
だけどそれとは逆で…
何故かこの場に居ることが嫌になった。
しかし彼はまだ離してくれなくて…
「ほらな?やっぱり…いいか?これからは俺には嘘をつくな。いいな?」
…これから?
「…意味分かんないんだけど。アタシとあんたはこれでおしまいでしょ?」
「は?何言ってんだよ。これからだし。」
余計に意味不明。