SECRET&LIMIT-王子×凡人-
「はい。お弁当^^」
兄はちょこんとアタシの手のひらにお弁当を乗せ、ニッコリと微笑んでくれたかと思うと
兄は殆ど身長差の無い流稀の瞳を物凄く見つめて、テレパシーで流稀に何か話しているみたいだった。
正直、アタシには何がなんだかサッパリ分からなくて下から兄と流稀の顔を交互に見ていた。
゙どうして見つめ合ってるの?゙と声を出したくても、流稀の手が邪魔していて思うように口が動かせない。
だけど、アタシが二人のテレパシー会話を邪魔できるような雰囲気でもなかった。
ただ只管彼らのテレパシー会話の終了を待って、待って、待ち続けた。
それから5分ぐらい過ぎて…
ようやく話が終わり、アタシと流稀は学校へ行こうと玄関を出た。
その時、流稀はアタシの口元から手を離した。
「はぁ…やっとまともに呼吸ができる」
ずっと鼻で呼吸をしてたからかなり辛かった。
「夜満は口を押さえてないとピーチクパーチク五月蝿いからな」
はぁ?!
口より手が出そうなアンタに言われたか無いですし!!!!
「あっそ~ですか。」
ムカムカとして素っ気無い言い方で返事を返す。
ギィー…ガジャン
アタシは古びた門を開け、道路に出る。
「ったく、流稀…」
ドガッ!!!!!!
いったいぃいぃいい!!!!
「…な、なんなの?」
家からまだ数歩しか出てないのに、何かがアタシの脛(スネ)辺りに当たる。