SECRET&LIMIT-王子×凡人-
「あぁ、ちょっと手こずってな。」
え?!なっ…
「ななっ…な、何で?!アンタって坊ちゃまなの?!」
「え?夜満、知らなかったのか?」
知らないってか、アンタが教えなかったんでしょうがー!!!!!
「はぁ~…夜満の兄貴は知ってたみたいだったから、俺はてっきり夜満も知ってるかと思ってた。」
え…お兄が?
「坊ちゃま、長話をしてしまいますと、学校遅刻してしまいますよ?」
「あぁ、そうだな。 夜満、残りは車の中で話すから、とりあえず乗れ。」
「え……あ、アタシ、歩くから!!!!」
そう言い残してヅカヅカ歩きだした。
だってベンツになんて、乗れないよ。
流稀と一緒に乗ってたらファンから後々痛い仕打ちがくるっての!!!
そういう後先のこと流稀は考えて無さすぎるのよ!!!!
ほんっとに自己中心的な考え方の王子は困る。
ガシッ
急にアタシの右腕を掴んでくる流稀。
そして、一言…
「馬鹿が」
「ばっ…馬鹿って失礼な!!!!!!」
「どうせ、他の女子の事とか考えてんだろ」
ドキッ
「か、考えてなんかない!!!ただ、アンタと離れたいだけ!!」
とっさに考えた嘘。
だけど、流稀はアタシの心を見透かしているかのように
「嘘だろ」
と言った。
流稀には嘘が通用しない。
どうして?
なんで?
アタシの心の中まで覗かないでよ。