SECRET&LIMIT-王子×凡人-
「珍しいね。この時間に夜満がいるなんて^^」
サキはハハッと笑ってアタシの元に近寄ってくる。
「そ、そうだね…ちょっと色々あってさ。」
アタシはパッとサキとは反対側を見て、サキの顔から目を反らした。
勿論のことながら、サキは不思議そうな顔をして
「どうしたの?夜満」
と言った。
「あ…あのね、目にゴミが入ちゃって…」
サキにこんな顔を見られて心配されたくないという気持ちが強くて、つい嘘をついてしまった。
「…夜満、こっち向きなよ。どうしたの?誰かに何かされた?」
サキはアタシの横からやんわりと声をかける。
サキの優しさが嬉しくて、目をさらにウルウルにさせる。
サキと反対側の家や車がどんどん歪んでいく。
そんなアタシを察してか、何も言わずに静かにアタシをギュッと抱き締めてくれた。
サキは温かくて、本当に良い友達だと改めてアタシは思った。