SECRET&LIMIT-王子×凡人-
その後、アタシとサキは少しずつ歩き、学校に到着した。
この時もう既にアタシ達は遅刻していたのだけれど、二人とも遅刻なんて気にもしていなかった。
そんなことよりもっと重大なことをサキにアタシから打ち明けたのだ。
下駄箱
── ─
「そっか。そんなことがあったんだね。」
「うん…正直、流稀とは付き合えないよ。」
「そうだねー。王子ファン多いみたいだしね…」
「でも、恩人でもあるし…」
「「うーん…」」
二人して悩んではみたものの、結果的に答えは出なかった。
だから、とりあえずアタシは流れに任せることした。
ガラガラガラ――
「おはよーございます。」
「おはようございます。」
アタシ達は教室に入ってまず先生に挨拶をした。
先生の顔の眉間に若干シワが寄っていて
「お前等は一体今が、何時だと思ってんだ!!!」
とキレた。
ちなみに、一時間目が始まっていたらしい…
一時間目の授業が担任だったから、まだホームルームの時間なのかと思っていた。
ちなみに、キレている担任に対してサキは冷静に対応する。
「あー…はい。スイマセン。」
遅刻をしょっちゅうしているサキにとっては、もう慣れたものなのかもしれない。
それに比べて初めて遅刻したアタシはサキの後ろでヒッソリとしていた。