SECRET&LIMIT-王子×凡人-
「ったくよ-…あの、眼鏡野郎…」
「眼鏡野郎じゃ無いって。華田先生。」
玲汰ばあ-はいはい。゙と言って、アタシの前をズイズイと歩く。
誰もいない廊下
誰もいないグラウンド
アタシと玲汰の足音と、各教室から聞こえる先生や生徒の声だけが響いていた。
行くあても無く、ただ歩いてるだけのアタシ達。
教室の前でジッと座っていれば良かったものの、玲汰が動かずにはいられなくなって
今に至るって訳。
その途中、アタシは自販機を見つけた。
「ねぇ、玲汰。喉渇いちゃった…」
「ん?そうだな。自販機で買うか」
アタシと玲汰は自販機に近づく。
そして、自販機の小銭を入れる場所にアタシは小銭をチャリンと入れる。
高校の中の自販機は学生向けということから、通常より少し安めで買うことができる。
なんてラッキーなのだろう。