SECRET&LIMIT-王子×凡人-
バチコーンッ!!!!
「何やってんのよ、玲汰!!」
サキがいきなり来て、アタシに近づく玲汰の頭を後ろから教科書で殴った。
しかし、その反動でさらにアタシの方に近寄る玲汰。
えっ…
ちょっ!!!
チュッ
「……ンッ!!!!!!」
「……」
「やっちゃった-…」
玲汰、離れなさいよ-!!!
アタシはドンッと玲汰を突き放そうとしたんだけど…
何故だか自然に唇と唇が離れて、玲汰の頭がアタシの胸の上に乗った。
「スピー…」
「え゛?!」
「ったく…玲汰は-…」
玲汰はスヤスヤと眠っていた。
まさかの展開で、アタシの脳みそはついていけない。
そんなアタシにサキは簡単に説明をしてくれた。
「ほんっとゴメン。悪気は無いからね?」
「あ…うん。全然大丈夫!!でも、何で玲汰の頭叩いたの?」
「それが…玲汰はさ、眠たさがピークに達するとキス魔になるんだよ。」
「きっ…キス魔?!」
「そう。だから、叩き起こそうと思ったんだけど…無謀だったね。」
そうだったんだ…
玲汰を叩いたのには意味があったんだ…
キーンコーンカーンコーン―♪
「あっ!!授業の始まる鐘!!!」
「移動教室だから早く教科書を取ってきな!!」
「う、うん!!!だけど…玲汰は?」
「アタシが起こしておくから、大丈夫。」
「ありがとう!!それじゃ、行ってくるね^^」
ニコニコとしながらアタシは教室に向かう。