SECRET&LIMIT-王子×凡人-
コツッコツッコツ…
先生の革靴がドンドンあたしの方に向かってくる。
ピーンチ!!!
ヤバいよ…
逃げ場所が無いよ…
今、物凄く泣きたい気分。
ど、どう……グイッ
へ?
あたしは急に腕を掴まれ、隣の教室に入り、口を押さえられ体操座りの形になった。
何となく怖くて少し暴れてみると
「お前…担任にバレて-のかよ。」
なんて言われた。
って…
え…?
相手に背中を向けている状態だから顔は見えないけれど…
「るっ…」
「黙ってろ」
…なんで命令口調なのよ!!
てゆか、流稀じゃない!!!
も〜…
朝から仲が悪くなっちゃってるのに、どうして流稀に助けられなきゃならない訳?!
いや…でも待てよ……
助けて貰っただけでも感謝しなきゃ。
もし、バレてたら大変なことになってたのかもしれないんだよね。
すると…教室ごしに
「ん?さっき物音がしたんだが…何かがぶつかっただけの音か?」
と、担任の声が廊下に響いていた。
あたし達は、なんとか担任と女子生徒には存在がバレなかったみたいで
超ギリギリセーフ。