SECRET&LIMIT-王子×凡人-




彼はそんなアタシでもお構いなしでグイグイと引っ張っていく。



勿論、行き先は告げられないまま…



―――


それからある程度男等のいる公園から離れ


ちょっと入り組んだ路地にアタシと彼はやってきた。



そして、そこでアタシがまず口を開く。



「あの…大概腕が痛いんですけど…」


ずっと握られている腕。

そろそろ限界だった。



「え?あ、あぁ…」



彼は後ろを振り向き今まで引っ張っていたアタシの腕から手を離す。



それと同時に自分の腕に目をやると、


さっき男等から握られていた部分が少し赤くなっていた。




「はぁ…」


アタシは無意識の内にため息が出た。




彼はそんなアタシを見るなり。


「ため息なんてつくな。」



急に命令口調でアタシに言う。



「は…?」


アタシは何で言われたのか分からず、混乱していた。


が…


彼は理由を語った。


「ため息をつくと幸せが逃げる。」


というのだ。


昔からそう言い伝えられているが、それはガセネタだと思っているアタシ。


なのに、信じている彼。





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