SECRET&LIMIT-王子×凡人-
「んじゃ、ここで☆」
サキが上機嫌でアタシ達に手を振りながら、二手に分かれた右の道を帰っていく。
アタシと玲汰は左。
シーンと静まり返った空気の中、玲汰がアタシより先を歩く。
何だか、凄く嫌-な空気。
とりあえず、玲汰の後ろをトボトボと歩く。
極め付けに、玲汰とアタシの身長差は約20センチあって、歩幅が違いすぎる。
アタシの歩きでは置いていかれる感じで…
少し小走りをしないと追い付けない感じ。
って…わざわざ玲汰についていく必要なんて無いのに、何してるんだろう。
玲汰の訳わからない行動に振り回されてるアタシって…一体何?
訳わかんない…
短期間で色々有り過ぎだよ…
どうしたら良いのよ…
「…フクッ」
「えっ…?な、何…どうしたんだよ?!」
その場に立ち止まって、静かに泣き出したアタシに気付いて玲汰は慌ててアタシに近寄る。
玲汰はオロオロとしていて、どうして良いのやら混乱している様子。
だけど、アタシの雫達は一向におさまることが無く、ただボロボロと流れる。
そんな時…
フワッと仄かに甘い香が漂い、アタシの目の前は真っ暗になる。