SECRET&LIMIT-王子×凡人-
「俺の彼女、苛めないでくれる?南田くん」
不気味な笑みと共に、怖いオーラを出していることは何となく感じ取れる。
それより!!
どうして、コイツがここに居る訳?!
しかも、タイミング良すぎ…
「矢波っ…」
玲汰の嫌そうな声。
゙矢波゙、なんて呼び捨てにしている…
ん?矢波?
みんな……ってか、サキでさえ゙王子゙って呼んでるのに、玲汰は何故か呼び捨て。
アタシはかなり不思議に思った。
しかし、次の流稀の言葉でアタシは理解する。
「叔母さん、元気なのかよ?」
「あぁ、まぁな…」
グイッ
アタシはアタシの目の上に置かれている流稀の手を除け
流稀と玲汰の顔を見るなり、
「叔母さんって…あんたら、従兄弟同士?!」
と聞いてみる。
彼らは何の躊躇いも無く
「「うん」」
と、答えた。
…開いた口が塞がらない程驚いた。
だって、一度も玲汰の口から流稀と従兄弟同士だとは聞かされなかったし…
てゆか、よくよく考えると、流稀が転校してくる初日以後には流稀の話を持ち出してこなかったのは確か。
まさか、そんな関係だからなんてことは想像もしていなかった。