SECRET&LIMIT-王子×凡人-



「…夜満、何してんの?」

少し頬に汗を垂らして、流稀が言う。


「え、笑顔つくってる…」


「夜満、それは笑顔とは言わない。ただの化け物だよ…」


アタシの笑顔はかなり引きつっていたらしく、周りから見るとお化け並に怖い表情らしい。



「ば、化け物って…失礼なっ!!!」


「失礼も何も……なぁ?南田くん?」


「えっ…そんなこと俺に振るな」



玲汰は流稀が嫌いなのか、嫌そうな顔をしている。



「とりあえず、その顔は…やめたほうがいい。」


流稀の顔があまりにも真剣な表情だったから、ヤバいのだろう…と察して、スマイリー笑顔(←違うって。)はやめることにした。



「うん、それの方がいい」


流稀はニカッと笑って、アタシを見る。


玲汰は相変わらず、少し膨れっ面。


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