SECRET&LIMIT-王子×凡人-



放課後・職員室前
───── ─ ─


ガラガラガラ…

「失礼しまーす。」


ムスッとした顔で職員室に入る。



"こんな時間になんだ??"とゆう教員の視線を感じながら英語担当の教員の前まで行くと、


「はい、課題。明日までに提出すること。」とだけ言われ、プリント数枚を手渡された。


補修と言われていたから、何か勉強でもさせられるのかと思っていたけれど、ただ課題を渡されただけだとは何か物足りない感じがした。




ガラガラガラ…

「失礼しました。」



それに、補修の為にわざわざ沙希と帰るのを断ったのにあり得ない展開。


そんなことを考えていたらいつの間にか下駄箱に到着していた。




外は雨が降っていて、丁度アタシの今の気持ちと重なった。

それより何より、傘を忘れてしまっていることにも気付いてさらにアタシをブルーな気分に落とす。



「はぁーあ…ついてないな。」


アタシは深い溜め息をつきながら、学校の玄関を出ると




「溜め息なんかつくなよ。幸せが逃げちまう。」


横から急に高くも無く、低くも無い声が聞こえる。



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