*Lover's Re Mode*
―…て、転校生君?

ワーオ。私…すんごく見られてません??
蛇に睨まれた蛙状態。
ゴクリとツバを飲み込んだ。

「おい」

「な、何か?」

急に話し掛けられ、びくつく私に、桜小路 ルイは身を屈めて私の耳に囁いた。
皆には聞こえない位の声で囁いた。


「指輪。ちゃんと持ってる?大事にしろよ」

彼のハスキーな声が、耳に、頭に響く。

『指輪』

………。

―…ゆ、指輪!?

「あ…、な、何の事ですか?」

「ちゃんと置いてあっただろ?アレ」

今度は皆に聞こえる位の声で意味深な言葉にする。

クラスメイト達が騒ぎだした。

尚も私の席から立ち去らない桜小路 ルイはとんでもない事を言い出した。

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