*Lover's Re Mode*
動かない私に痺れを切らした彼は、口だけを動かしメッセージを送ってくる。

『指輪』

私と彼しか知らない秘め事は、格好の脅しネタとなっていた。

逆らうべからず。

本能で悟った私は、即座に荷物を纏め、席を替わってくれた男子に小さく詫びを入れて、席を変わった。

府に落ちない面持ちで席に着くと、早速横からの視線を感じた。

何よ。
何なのよ。

「よろしくな?叶依」
チラリと横目で見た私に満面の笑み…もとい、悪魔の微笑みを浮かべている桜小路 ルイ。

何故か初対面…二度目の筈なのに、名前を知っている上に、名前で克つ、呼び捨てにされている。

昨日の痴漢で変態…かもしれない。

むしろ、やっぱり妄想から抜け出た、悪魔か何か?
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