*Lover's Re Mode*
目覚ましのアラームが鳴っても、夢から覚める事は無く。

これも夢かも。って思ってみたけど、つねった頬は真面目に痛かった。

「痛いっ(涙)」

普通に考えて、夢に痛覚なんてあるわけもない。

そもそも感覚が有ること自体が可笑しかったのだ。

私の目線の先には、やはり男の腕が消えずに残っている。

これは夢じゃなくて、紛れもない『現実』だった。

体が拘束されているのも『現実』。
腕枕も、背中に感じる温かさも『現実』?


―まさか。


ここ、学校の寮だよ?
女子寮じゃないけど、混合寮だけど、贅沢に一人部屋。

鍵だって掛かってる。
指紋認証だし、オートロックだよ?

窓だって、ほら…セキュリティは万…全…



……。

ん?

ゴシゴシ。

目がおかしいのかな?

目線の先にはカーテンがバサバサとはためく、フルオープンの窓。

……。

……あ、開いてるっっ!?


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