*Lover's Re Mode*
こんなにも悪魔みたいなのに、心を許してしまいそうになるスリル。

魔性の美しさに心を奪われるみたいだ。



奴は本物の悪魔かものしれない。



居たたまれない緊張感の中、脳内はフル回転していたが、あろう事か悪魔の存在をすっかり忘れていた。

「叶依。…お前、目を開けながら寝てんのか?」

ギュムッ

「いっ痛い痛い」

完全に自分の世界に旅立っていた私は、暇を持て余す悪魔の手によって、乱暴に鼻頭を摘ままれ、現実世界に引き戻される。

「聞きたい事があるんじゃねぇのか」なんて低い声を出し、尚も鼻頭を摘まみ続ける悪魔…魔王様。

「すみまふぇん」

鋭い眼光で射られ、完全ビビりの私は涙目になりながら弱々しい声で謝った。

何で私がこんな目に…

やっぱり府に落ちない。

何故、こ奴は私に構うのだろうか。しかも付き合うだなんてっ。

完璧に玩具扱いだし。まったく意味が分からない。

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