*Lover's Re Mode*
覚悟を決めたのに、絞り出した声は震えていて、何とも情けない声が出た。

「指輪?あぁ、アレはお前のだ」

「え…?」

私の?
あのぶかぶかの指輪…
見覚えがありませんが?

「まあ、正確には俺のだけど。」

首元に掛かった銀色のチェーンを人差し指に引っ掛けてシャツの上に出すと、そこにはあの指輪とそっくりの銀色の指輪があった。

「んでもって、これは本来お前のだけど、今は俺の」

指輪を見せ付ける様に目の前に持ち上げて見せる。

よく似たソレは私が持ってる指輪より小さく、裏側にはR・Oと刻まれていた。

「それはお前と俺を繋ぐモノ。お前は俺のって印!分かったか?」

指輪を通して見詰めてくる奴の瞳は艶っぽく私の目に映った。

悪魔みたいな奴。
なのに何故か目が離せなくなる不思議な感覚。

やはり魔性のなのか。

俺のモノ何てふざけた事を言われてるのに、ちょっぴり嬉しいかもなんて有り得ない感情が湧いてくる。

どんどん私の心は少しずつ囚われていく。
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