*Lover's Re Mode*
チェーンに繋がれた指輪を弄びながら、私を意地悪な笑みを浮かべながら見ていた。

「知ってたよ。お前の事なら昔から」

時折、指輪にキスを落としながら言葉を続ける。

「忍び込んだって表現は良くねぇな。会いにいったんだよ。俺の女に挨拶しにな」

「あ、挨拶?ただの不法侵入じゃない。

私は貴方なんて知らないし、貴方の女でも無いんだけど?」

「いや、俺の女だよ。叶依」

艶っぽい顔を近付け、耳元で囁く言葉は甘く危険な香り。

甘い罠。

「昔から、そう決まってた。

それに…さっき正式に付き合う事になっただろう?

お前は皆の前で承諾した。」

「でも、それは…そういう付き合うじゃなくて、話しをするだけだと思ってたから…」

悪魔みたいなのが彼氏だなんて冗談じゃない。

しかも初彼だなんて。

「今更、取消しは無効だからな。」

慌てる私を嘲笑うかの様に逃げ道を塞ぎに掛かる。

「冗談でしょ!?まだ会ったばかりなのに。
昔から決まってたって言ってたけど…意味が分かんないし!!」

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