*Lover's Re Mode*

「お前が忘れただけだろ？
俺達は既に出逢ってるし、誓いも交わした。
それは互いの親も知っている事実だ」

…え？

既に出逢ってた？
親も知ってる？
誓いって何？

「これ以上は教えないぞ。早く思い出せよ。叶依？」

それは…果して人の部屋に忍び込んだ理由として的確なのだろうか。

誓い合ったらしい私達。

それを守る為に外国から帰国したと言うのか。

「貴方は…その誓いを守る為に日本に来たの？」

尚も探ろうとする私に、「ヒ・ミ・ツ」と言いながら軽やかに机から降りると、ドアに向かって歩き出した。

「次の授業が始まる前に戻るぞ」

振り返った悪魔なルイは、私の方に左手を差し出した。

私はルイの彼女になってしまったらしい。だから一応は恋人らしくしないといけないと思う。

本当は嫌だ。
付き合う事を認める事になる。
何より気持ちの無い付き合いだなんて、虚し過ぎる。

だけど…、

魅惑な悪魔の眼光が、拒否を認め無いと、脅している。

私は少し迷いながらも、その手を取った。

妄想と現実は、余りにもかけ離れていた。