*Lover's Re Mode*
「おい。叶依、起きろ」

疲れ過ぎて幻聴が聞こえるよ。

もう、いいって。

「お・き・ろ!」

「もう!いい加減にしてよ~」

…え?

何で奴の声がリアルに聞こえてくるの?

まさか。
まさかねぇ。

「な~に寝ぼけてんだよ!」

ズシッ

「うはっ」

お、重いっっ
何で奴がリアルにいるの!?

目を開けると、奴が私の腹の上に馬乗りになり、こちらを見下ろしている。

全体重を掛けてくるから、すんごく苦しい。

「ギブギブ!」

重さに耐えかねてベッドサイドをバシバシと叩く。

悪魔なルイは意地悪な笑みを浮かべて、立ち上がるどころか、腰を上下に揺らし始めた。

ベッドがギシギシと音をたてる。

「ちょっと!ギブだって言ってんでしょうが!!」

「お?やっと起きたか」

ニヤニヤ。

「起きてるから、さっさと退きなさいよ!」

もう!どっから湧いて出たのよっっ
どう考えたって人間技じゃないって。

やっと退いたルイを押し退けて起き上がると、今更ながら部屋の異変に気が付いた。

…家具が無い?何で?どうなってるの?

家具が殆んど無く、カーテンさえも無くなっていた。

何故!?

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