リカと私の藁人形
お母さんが泣きながらあたしに言うの。

「何で、あんたなんか産んじゃったんだろう。」

お父さんが、無表情で言うの。

「本当に俺の家族はゴミだな。お前も、あの女も、あのバカも。お前らさえいなければ、
 俺の人生はもっと良かったはずなのに。」

お兄ちゃんが、笑いながら言うの。

「お前は俺のおもちゃだからね。お兄ちゃんとこういう遊びしてるの他の人には、内緒
 だよ。もし言ったら…殺しちゃうよ。」





あたしには友達にも言えない悩みが多すぎたの。

いや、もしかしたら言える友達がいなかっただけかも。

表面上だけしか仲良くしてないから仕方ない。

あたしは、この汚い町で一番好きな場所に来ていた。

この廃ビルの屋上からは、この世のものとも思えないきれいな夕日が見れた。

あたしは誰にもこの場所を教えてない。だってお気に入りの場所だし。

独り占めしたかったから。

そして、今日もきれいな夕日が見れた。

あたしは、その夕日が沈むにつれとても悲しい気持ちになった。

あたしは、今日ここで自殺する。だから、沈む夕日が自分に見えたのかもしれない。

夕日が沈みきった。

あたしは、カバンからカッターナイフを取り出した。


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