小は大なり


それからは披露宴で桐也について挨拶をしてまわった。


私はずっと桐也の掌に乗っていたんだけど、

自分よりずっと大きな人達にまじまじと見つめられたり、
何度もお色直しで連れて行かれたりして、

大して動いてもいないのになんだか疲れてしまった。



……ひとつ残念だったこと。

いくら愛の無い政略結婚だとは言っても、
一度くらい、
可愛い、って言って欲しかった。

私は、その、……と、やの…ため、にッ!
…おしゃれをした、訳で。

一回ぐらい可愛い、とか、綺麗、とか、言ってくれても…良かった、のに……



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