魑魅魍魎の菊
菊花が教室でぼんやりと植木から貰ったグレープのロリポップを舐めていると…
「高村菊花ァァ!!!出て来いや——!!」
——ガタンッ!!
「ちょ、ちょっと高村大丈夫か?!」
私は叫ばれた反動で机に前のめりに…!!
そして刑部君笑わないでくださいよ!
(……って、私滅茶苦茶注目されてるじゃん?!)
「な、何よ…"玖珂っち"…」
「おめーが"玖珂っち"って言うなっつたろ…?!」
「い、いひゃいよ…きゅがくん…(い、痛いよ…玖珂君…)」
頬を摘むのは止めて。
まだ頬は完治していないんで勘弁してくださいよ玖珂君。そして腕の三角巾だって取れてないのにさ…
そういう暴力行為に走らないでよ、恐いったらありゃしない。
私は教室の前の方に呼び出され、玖珂君に怒られているし…
「で、…わざわざ二年の教室に何用なの?」
「…テメェ、加藤が成仏されてネェぞ?!また妖しい術でも使ったのか?!」
「つ、使ってないし…!加藤さんがあの後どうなったかなんて私知らないし!」
「だったらどうして…ウチでまたニヤニヤしながら睡眠妨害しやがっているアイツは何なんだよ?!」
う、嘘…加藤さん…。
また玖珂君の家で色々と……まぁ、御愁傷様だよ玖珂君。という気持ちを込めて合掌したら殴られてしまった。
「ぼ、暴力反対だよ玖珂君?!それに加藤さんの事は玖珂君に任せるからね?!」
「はぁ?!俺にどうしろって言うんだよコノヤロー…」
と、自分の髪をグシャっと掻くが…他の女の子や男の子が喜ぶだけらからね?そういう姿も麗しいんだから。
そんな事を思っていると、「…帰る」と告げられ——何か銀色の物体を投げられた。