魑魅魍魎の菊
04.青春残像球技大会!!
クラスTシャツ
真っ青な空、白い雲、燦々と輝く太陽——。
「——暑い…。太陽有休取りやがれコノヤロー…」
「正ちゃん?!自然の摂理になんてこと言ってるのよ!太陽の恩恵に肖ろうとか思わないわけ!!」
正影はだらけきった顔をしながら隣でキャンキャン叫ぶ陰陽師オタクを睨んだ。……お前は肖ってるのかよ、この馬鹿。
あまりの暑さに頭が爆発しそだ。畜生、風来坊でも呼ぶか——…いやいや、それこそ話がややこしくなりそうだ。
「この太陽があったからこそ安倍晴明様も妖怪退治をなさっていたのよ!キャア——!!太陽大好き、なんて自然って素晴らしいのよ!」
「あーハイハイ。由衣、さっさとお前はドッヂボールのエントリーに行って来い」
手をヒラヒラさせていると……目の前に派手な金髪が現れて、こちらに歩み寄って来た。
「あっ!萩谷君おっはー♪」
「おぉ、おはよう松野。…何か今日も元気だな」
「アハハッ!元気こそ長寿への第一歩よ!それじゃあ、あたしエントリーに行って来るから。萩谷君、そこのだらけきった男をよろしく〜」
由衣はニコニコ笑いながら走り去り。そして、外に居た女友達と一緒にドッヂボールのコートへ行ったのだった。
「……松野なら長く生きそうだな」
龍星は苦笑して、昇降口に座っている正影の隣に座った。
「由衣は妖怪になって、憧れの陰陽師に滅されて死ぬのが本望だそうだ」
正影はタオルを顔に押し付けて完璧にだらけきっていたのだ。
「——なんだかコメントに困る死に方だ」
「だたの馬鹿としか思えネェよ」
あれから正影と龍星の仲は深まり、一緒に昼休みも過ごす仲となりサボりなんて殆ど無くなって指導部の先生に訳の解らない感謝をされるのであった。