魑魅魍魎の菊


良いわよー。どうせ二人は花形スポーツのバレーボールに出場するもんね…。

良いのよ、私ってば球技が破滅的に苦手だからいけないのよね。


少々自虐的になりながら、トートバックの中に水筒、タオル、栄養保健食品的な食べ物を入れて——忘れちゃいけないのが団扇と"霧吹き"。



これがあると、便利なのよねー。そんなことを考えながら、ハイソックスからスニーカーソックスに履き替えてウォータークーラーの置いてある体育館裏へと向かう。




「き〜ら〜き〜ら〜ひ〜か〜る〜







——お〜空〜の〜カ〜エ〜ル〜」


菊花は謎の替え歌を歌っていると——…





『あ"ぁん?口答えしてるんじゃねぇぞ!!』

『気色悪ィんだよ!!』



——バキッ、ゴキッ!!





三人ぐらいの男子生徒の足下に——鼻血を流した少年がっ!!!




『や、やめてっ…』




その瞬間、菊花は携帯電話を取り出して耳に当てるのだ。




「あっ?高畑センセ〜イですか〜?何か〜体育館裏から変な音が聞こえるんですけど〜!えっ〜今から来てくれるの〜!キャア〜う〜れ〜し〜い〜!!



『お、オイ誰か来たぞ!』

『チッ…。行こうぜ』

『あぁ』



その瞬間、バタバタと走って行く複数の足音が…。


 
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