魑魅魍魎の菊
妖精さんが見えるよ
間抜けな顔をする三人の青少年を放置して、私は自分の能力を使って「屋上」の鍵を開けたのだ。
「オイオイオイオイ…。萩原君、不良なのに屋上に入った事ないの?」
「無理矢理に開けたら、器物損壊罪に値するっつうの!」
「何て良心的な不良なんだよ、おめー」
「あ、アハハッ…」
とまあ…このような感じでお弁当をそれぞれ持参し、屋上で適当に座って空の快晴を楽しんだのだ。
「よし、井上穂積君!」
「ははは、はい!」
勢い余って数が多いよ…。
「服脱いでみようかっ♪」
——ゴチンッ!!
「あ、あだっ…」
「おめー…。いっぺん地獄に落ちるかコノヤロー」
「オイ、玖珂が言ったら冗談に聞こえネェ…」
い、痛いよ玖珂っち…。何気にひよこさんとお星様が仲良くキラキラしちゃっているんですけど…。
そして私達の対応に困っている井上君も可愛いよ。
「違うわよ!失礼ね!そりゃ、望む事なら二人の裸体も見たい所だけど手当よ手当!」
「サラリととんでもないこと言いましたね、先輩…」
「あはっ♪」
私が笑いながらトートバックから湿布などを取り出すと、素直にTシャツを脱いでくれた井上君…。
「……酷ェ、怪我」
龍星はぽつりと呟きながら、拳を握りしめた。