魑魅魍魎の菊


そんなこんなで美鈴は日本美人のような容姿をしているので、色んな人にバスの中で話しかけられたいた。


だが、まだ見知らぬ人間に不慣れなのか辿々しい口調になってしまう。お菓子あげるからおじさんに着いて来てとか言われたが、リュウセイにそういう人には着いてっちゃダメだと言われたのでキッパリお断りをした。



(でも…お菓子、欲しかったな…)



ライアン様が下さった「けーき」という洋菓子は美味でした。ふわふわした食感で木目の細かい「くりーむ」とやらも甘くて美味しかった。

そして、西洋の果物というものはどれも美味でほっぺが零れ落ちそうというのはこういうことなのかと理解したのだ。



そんなこんなで目的地に着いたので、美鈴はバスの運転手さんに「ありがとうございました」と良いながら下りた。


バスの運転手も乗客もこの光景に微笑みながら、下りて行った少女に手を振る運転手だった。



(良い子だな…)

と、思いに思う。





「っ——!!??」


手を振り終わった美鈴はふと、気がついてしまった。嫌な気配と"気"が傷に疼く。



(こここ、ここは正影様達、"玖珂家"が統治する場でわ?!)


冷や汗をかきながら、青い空を見上げれば…。今は昼の時間なので幽霊や空を浮遊している妖怪しか目に入らない。


だ、だが…もし…"あの時"の蛇と判明したら…菊花様に迷惑が。



「……は、早く学校に」



ワンピースのポケットの中に入れていた地図を取り出して、美鈴はまたもや固唾を飲んで歩き出す。




と、その瞬間!!



道の向こうから"玖珂家"の気配を感じ取ってしまった!


 
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