魑魅魍魎の菊
「静かにしろ!!勝算のある作戦はちゃんとある!」
叫ぶ正影の横に「鏡の付喪神・鏡子」と「白狐・白」が登場した。
「今回はこの二人が作戦のキーパーソンになる」
「正影、そこの若造共に何をさせれるの?何か出来るようには見えない」
急に侮蔑の感情を含んだ口調で言うモノが現れた。
「口を慎め濡れ女。この俺が練りに練った作戦だ、抜かりは無い」
鋭い眼光で濡れ女を睨めば、萎縮したように後ろに下がった。
「よく聞け。例の百鬼夜行は俺達の存在に気がついているし、応戦してくるだろう。それを食い止めるのが千影と神影を中心にしたチームだ」
「だったらそこの二人と正影はどうするのだ?そして今更だが、正影と神影の着物が一緒だな」
「「今更だ(じゃ)スザク」」
同時にツッコミを繰り出すのはスルーして、神影と着物を一緒にしたのは意味がある。
俺は普段から陰陽師の仕事をする時はこの格好だ。この格好になれば相手は大方、俺を妖怪と間違える。
一瞬だが、妖怪でも仲間意識が現れるのでその心の隙を狙って滅するという。何とも悪者のような方法を用いることにも触れないでおこう。
「神影を囮にするのか」
「そうじゃスザク、妾が直々に囮になってやるのじゃ。光栄に思え正影!」
適当に返事しながら、俺はスザクを残して他の奴らを町の配置につかせた。