魑魅魍魎の菊
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それから、スザクさんの久々の再会で抱きつこうとすれば満身創痍(?)なのに玖珂君にタックルされたんですけど?!
妖艶に笑うスザクさん素敵ッスと言えば、またもや玖珂君に殴られたこともスルーしてと…。
玖珂君とスザクさんが作り出している「亜空間」は以前の百鬼夜行で体験したの奴らしい。
対象妖怪などを自分の世界に引きずりこんでどうこうするらしい、そしてその外界からは何も無いように見える。言わば幻の世界。
そして、壊れた校舎や庭などは…玖珂君の結界内で式神を使い修復作業。庭の方は穂積君が担当して、精霊たちが頑張っている。
美鈴は美鈴で目を醒した蛇さんの介抱と状況説明をしていて、なんとも奇妙な光景だったのは暗黙の了解だということで。
萩原君は玖珂君を呼び出した三人の女の子を軽々と持ち上げて、下駄箱の玄関のところに放り投げてきたらしい。
(えっ——…私することなくネェ?)
「あーあー、玖珂君のタックルのせいでまた傷増えたー。菊花さん、幼気な少女なのにー」
「んだとこのクソアマ?!何処ら辺が"幼気な少女"だっつうんだ」
「幼気な少女っつったら、美鈴だろう」
萩原の溺愛発言というか…辛辣というか。
穂積が修復した花壇に腰掛ける美鈴はワンピースの上に蛇さんを乗せて穂積と喋っていた。
「う"っ…その通りだ萩原君」
「ていうか、何で美鈴が学校に来ているんだ?」
先程物凄い剣幕でスザクに問いつめていると、「学校に行きたいからと言ったら連れて来ただけ」というのだ。
——だが、玖珂のテリトリーで美鈴が行動するのは充分に危険と理解した龍星はそれ以上何も言わなかった。
寧ろ、この鬼のお陰で美鈴は襲われずに済んだかもしれないのだから。